アメリカを代表するタバコ企業、アルトリア(MO)
フィリップモリスのアメリカ事業を独立させてできた会社です。売上のほとんどがタバコです。タバコ業界は、喫煙者の減少に歯止めが掛かりませんが、その現象を販売単価の値上げで補ってきました。最近は、従来の紙タバコからアイコスなどの電子タバコ事業へシフトしています。
売上・利益
売上・利益ともに安定していますね。喫煙者が減少しているにもかかわらず売上が減らないという魔法の事業に思えてしまいます。
EPS・DPS
EPS、DPSともに増加傾向です。直近では、配当性向が50%くらいになっていますが、これは一時的にEPSが高かったことによるものなので、実際は70%くらいと思っておいたほうがよいと思います。それでも、まだ増配余地があるので減配の心配はなく、安心してホールドできます。
キャッシュフロー
投資キャッシュフローがほとんどないので、入ってきたキャッシュがほとんどそのままフリーキャッシュです。これはタバコ企業の特徴で、設備投資がほとんどいらないので、フリーキャッシュフローが大きくなります。アルトリアだけでなく、フィリップモリス(PM)やブリティッシュ・アメリカン・タバコ(BTI)も同じです。
バランスシート
流動負債が流動資産を上回っています。これは、手元資金が足りていないということなので、普通に考えればよくないことなんですが、アルトリアは潤沢なキャッシュフローがあるのでこれでも経営が成り立つんでしょうね。手元に金を余らせるくらいなら、投資するか、株主に還元するか、といった感じでしょうか。
流動比率でみるとこんな感じです。200%を超えていれば合格ラインとされることが一般的なので、決してよくはないですね…。
メモ
分析結果としては合格だと思います。タバコの消費量は年々減少していますが、値上げにより減少幅をカバーしています。タバコ企業はずっとこの構造です。
悪材料としては、FDA(食品衣料品局)による電子タバコの規制があります。好材料としては、マリファナ事業への参入が決まりました。マリファナ事業者のクロノスグループの株式の45%を取得することで合意したようです。最終的には55%まで増やす予定だということです。タバコ以外の収入源確保ですね。
株価・配当利回り
株価 54.18$
利回り 5.9%
魅力的な数字ですね。
引き続き、買い増していきます。