高配当銘柄JTがお買い得だが、懸念材料は安倍政権?
日本たばこ産業(JT)の株価下落が止まりません。今月26日の権利落ちで配当相当の下落を見せた後、株価は上昇するかと思いきや、そのままずるずると落ちています。
予想配当は1株当たり154円なので28日の終値2379.5円に対し、配当利回りは6.5%にまで上昇しています。
というわけで、つい手が出てしまいそうなJTについて少し調べてみました。
倒産の可能性はない?
JTの筆頭株主は財務大臣で約6億6692万株(33.3%)を保有しています。これは法律で3分の1を政府が保有するよう決まっているためです。
財務大臣が6億株以上持っているということは、配当金という形で、JTから政府へ毎年1000億近い金が流れているということです。
また、たばこの税収は安定的に年間約2兆円もあり、日本国家においてJTという会社はなくてはならない存在です。
これだけ見ても、JTが倒産するということはまずありえないと思っています。
政府としてもJTを苦しめて、自分の首を絞めるようなことはやるはずがないでしょう。
配当金推移
ここ数年増配を続けています。
2009年は1株あたり年間29円(2012年に1株→200株の分割)だったので、10年で5.7倍にまで増えています。
他のたばこ銘柄と比較
たばこという商品はぶっちぎりに利益率が高く、大した設備投資もいらないので、たばこ企業の配当は軒並み高いです。
海外企業と比較してみると
●JT:6.5%
●フィリップモリス:5.8%
●アルトリア:6.9%
●ブリティッシュアメリカンタバコ:7.4%
フィリップモリスとアルトリアが海外での税金が10%かかるので、手取りベースで比較すると、JTはBTIに次ぐ2番目の配当利回りということになります。
気になる株価下落
配当はいい、つぶれる可能性もなさそうだ。でも、株価が下落し含み損になると精神的にはきつい。JTの現状はこんな感じでしょうか。
超長期のチャートを見ると、雰囲気が違って見えてきます。
JT株が4000円、4500円と高値を付けていたのは最近だけで、この10年でみても今の株価は平均的な位置にあるようです。
含み損益と配当金の合計で見ると、ここ5年くらいで買った人は厳しい状況になってるっぽいです。
◆2009年(10年前)に買った人
含み益 1510円→2380円 +870円
配当金 +1033円
◆2014年(5年前)に買った人
含み益 3693円→2380円 ▲1313円
配当金 +665円
◆2016年(3年前)に買った人
含み益 4103円→2380円 ▲1723円
配当金 +433円
※6月終値で購入した想定
懸念するのは減配の有無
配当もいいし、倒産の可能性もまずないといえる企業なので、配当金さえ維持してくれれば買ってもよいように思えます。
ただ、誰もが気にしているのは「減配はないのか」ということでしょう。
減配があるかないかは誰もわかりませんが、こんちは2012年からJTが配当に力を入れ始めたのが気になっています。先程のグラフをみても、2012年からの上がり方は顕著です。
そして、2012年は何があったかというと・・
第二次安倍政権誕生
です!
JTという国との繋がりが深い企業と、ごりごりのアベノミクス。
そして、この配当性向の高まりに関連性がないことはないでしょう。(たぶん)
ということは、自民党政権、もしくは、安倍政権が揺らぎ始めたらJTの配当性が巻き戻される可能性もあるかもしれません。
まぁ、素人の邪推ですけど…。
まとめ
ぐだぐだと買いましたが、配当利回り6.5%、おまけの株主優待、倒産の可能性の低さを考えると、全然買ってもいいんじゃないでしょうか?
ただ、こんちはMOとBTIで90万くらいあり、これ以上持ち株をヤニ臭くしたくないので、遠慮ますw
※この記事は個別銘柄の買いを推奨するものではありません。投資は自己責任でお願いします。