逆イールド発生で460ドル下落。本格的な暴落時期を予想。
昨晩のニューヨーク市場は、ダウが▲460.19(▲1.77%)と今年2番目の暴落となりました。トリガーとなったのは、昨日発表されたユーロ圏の製造業購買担当者景気指数(PMI)の悪化です。予想の49.5に対し、結果は47.6と景気判断の基準となる50を大きく下回りました。PMIの悪化・株式市場の暴落の流れを受け、債券価格は上昇。米国債券市場では、3カ月物の金利が10年物金利を上回る「逆イールド状態」となりました。逆イールドは、リセッションの前触れといわれているので、投資家心理がさらに冷え込む可能性も否めません。いつか来るリセッションに備え、過去逆イールドが発生した前後で、株価がどうなったのかを調べてみました。
債券利回りの現状
まず、現状の債券利回りです。10年債利回りの2.437%に対し、3カ月物が2.453%と逆イールド担っています。ただ、リセッションの前触れとされる10年債と2年債においては0.118%の差があり、逆イールドは発生していません。でも、時間の問題のような気がします。
米国長短金利差とダウ平均株価
過去、10年債と2年債が逆イールドになったのは、3回見つかりました。逆イールドとなったタイミングは、①1989年1月、②2000年2月、③2006年1月で、この時あった出来事と、その後の株価の動きは下記通り通りでした。
① 逆イールド発生:1989年1月 (ダウ2258ドル)
逆イールド解消:1989年12月(ダウ2590ドル)
ダウ下落 :2905ドル(1990年7月)
2442ドル(1990年10月)
下落率 :16%
出来事 :湾岸戦争(1990年8月)
② 逆イールド発生:2000年2月(ダウ10128ドル)
逆イールド解消:2001年1月(ダウ10887ドル)
ダウ下落 :11215ドル(2000年8月)
7591ドル(2002年9月)
下落率 :33%
出来事 :ドットコムバブル崩壊
③ 逆イールド発生:2006年1月(ダウ10864ドル)
逆イールド解消:2007年3月(ダウ12354ドル)
ダウ下落 :13930ドル(2007年10月)
7062ドル(2009年2月)
下落率 :49%
出来事 :リーマンショック(2008年9月)
考察
過去の結果から言えることは、『逆イールドが発生してもすぐにリセッション入りするものではなく、逆イールドが発生しても株価は続伸する』というものでした。また、株価下落のタイミングは、逆イールドが解消してからの方が可能性が高いです。
逆イールド発生から解消まで1年程度の期間があったこと、逆イールド解消から暴落開始まで半年程度の期間があったことから、馬鹿正直に足し算すると、暴落開始は2020年末ごろ、ということになりました。
先のことはわかりませんが、いずれ来る暴落を頭にいれながら、無理なポジションをとらないようにしたいとおもいます。