投資を避けてきた日本人の末路。米国人にトリプルスコアで大敗

先日、興味深い結果を見つけました。*1高齢者(70歳)の資産を、10年前、20年前に遡って、同じ世代の米国人と比較するというものです。結果は、現在の日本の高齢者は同世代の米国人に比べ、金融資産が3分の1程度しかないという悲惨なものでした。

 

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なぜかここまでの差がついてしまったのか。その原因の1つが、現金比率の高さです。20年前の日本人のアセットアロケーションを見ると、現金比率が日本人は50%を超えていたのに対し、米国人は2割程度ということでした。この差が20年の時間を経て、3倍近い差を作ってしました。

 

もちろん、アセットアロケーションによるものだけではありません。20年前の日本人を見ても、株式などのリスク資産を持っていたのですが、米国と同じように資産が増えていなければなりません。しかし、日本市場はここ10年で持ち直したものの、1996年の株価22000円程度しかなく、4倍近く成長した米国市場に大敗しています。

 

人生100年時代といわれている今の日本で、この資産状況は絶望的です。資産の6割以上が現金のため、金利の低い日本では、金が金を生むことはありません。つまり、退職してから30年近くを、この2000万円と公的年金で食いつなぐしかないということです。米国人は資産の多くを投資に回していることから、潤沢な資産がさらに金を生むことが考えられます。

 

私は今後この差がさらに大きくなると思っています。というのは、この20年間日本の人口は微増でしたが、向こう20年間で1億1000万人程度まで減少すると予想されていること、消費支出の大きい30,40代の人口はさらに減少し経済落ち込むこと、そもそも現在の株価は日銀のETF購入によりドーピングされたものであることなどが理由です。(日銀ドーピングがなければ、グラフに示す日本人の資産は20年前より少なかったかもしれません…。)

 

将来のことは誰にも分りませんが、こうした結果からも、私は米国市場への長期投資を続けていこうと思っています。

*1:2019年3月10日 産経新聞記事